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私はポケットから財布を出してレジの前に立った。
おばあさんは古いレジを打つと、私の財布に目を止めた。
その視線に私は自分の財布を見た。
「お嬢ちゃん、喜代子さんのお孫さんかい」
おばあさんはおばあちゃんの名前を口にした。
私の財布には赤い「さるぼぼ」とか言うマスコットがぶら下がっていた。
確かおばあちゃんにもらったモノ。
私はそのマスコットをおばあさんに見せた。
おばあさんはニコっと笑って、私からお金を受け取った。
「私の生まれ故郷のお土産物なのよ。そのさるぼぼ…」
おばあさんはパンの入った袋を私の前に置く。
「そのさるぼぼは私が作ったモンなのよ…。喜代子さんに頼まれてね…。孫娘が健康に育ちますようにってね…」
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