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おばあさんは何かを思い出したように指を一本出す。
「お腹の辺りを押してごらん」
私は言われるがままにさるぼぼのお腹を押す。
今まで気づきもしなかったが何か硬いモノが入っているのがわかった。
「なにか…。硬いモノが…」
おばあさんはニッコリと笑った。
「馬路が一粒入っているのよ…」
「馬路…」
私は首を傾げる。
「馬路大納言って言ってね。美味しい小豆だよ」
おばあさんはゆっくりとレジの向こうから出て来た。
「そうかい…。喜代子さんのね…」
おばあさんは頷きながら私の顔をじっと見ていた。
そうだ…。
おばあさんならわかるかもしれない…。
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