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爽快な気分で私は自転車に乗っていた。
おばあちゃんの言っていた「あんぱん日和」の謎が解けた。
三好堂のおばあさんが作るあんこ。
これがあんぱん日和の秘密だったんだ。
おばあさんに半分個してもらったあんぱんはすごく美味しかった。
美味しいあんぱんとお茶を頂き、お礼を言ってお店を出た。
そして一気に家へと帰る。
空は相変わらず曇っていて、三好堂のお爺さんは今日一日パンの生地を作るのに苦労するんだと思う。
それでも、お爺さんが生地を作るのに苦労する分、美味しいあんこが出来るんだったらそれはそれで良い事なのかもしれない。
ふと、私は自転車に乗りながら考えた。
この町で「あんぱん日和」の謎を知っている人ってどのくらいいるのだろう…。
ううん、それ以前に三好堂のあんぱんがこんなに美味しい事を知っている人ってどのくらいいるのだろう。
私は「あんぱん日和」の謎が解けた事を早くおばあちゃんに伝えたくて帰り道を急いだ。
自転車の前の籠で三好堂の紙袋が揺れている。
少しパンが心配だったけど平気。
こんな事で三好堂のパンの味は変わらない。
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