あんぱん

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「菜緒子、帰ったの…」 ママが後ろから声を掛ける。私は振り返って微笑んだ。 ママもすぐに三好堂の袋に気付いたのか、私に微笑んでくれた。 「そっか…あんぱん日和か…」 ママはそう言ってキッチンへと戻って行った。 ママも知ってるんだ…。 あんぱん日和。 私は、おばあちゃんの顔に掛かる白い布を取った。 薄らと化粧をして綺麗だった。 「お、菜緒子。帰って来たか…」 パパがやって来て私の横に座った。 「三好堂のあんぱんか…」 パパもおばあちゃんの好きだったモノは知っている様だった。 「そうか…。今日はあんぱん日和だな…」 私は驚いてパパの顔を見た。
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