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……本当にあいつは生徒会長なのか?赤い髪なのは、百歩譲って自前だと言うことにしておくけど。生徒の中の長な訳だ。日常生活で多少の制服の気崩しは仕方ないと思う。俺もやってしまうし。窮屈だからな。だけど、公式の場で流石のブレザーを羽織るってやばくないか。何故教員の皆様は注意しないんだ。しかもあの祝辞。祝辞として扱っていいレベルなのか。俺様キャラに憧れているのか、本気なのか。ちょっと笑ってしまった。総じて、そうだな。高校生デビューなのかもしれない。高校生デビューだとしても、あれは無いけどな。
周りを見る。入学式が終わってから現在、割り振られた教室にて、各自席に着いて担任を待っている状態だ。俺は一年A組に所属することになった。同じ学年で同様の特待生も一緒らしい。まだ一人しか分からないが、どうやら今年は俺を含む五人だけだ。その誰がどの人なのか分からないが、多少情報が得られればと思い横目で見てみれば、大半が入学式の話をしていた。
「……。」
すげぇ、キャッキャウフフしてる。えぇ、何処にそんな要素が。「凄いかっこよかったぁ。」「相野谷様の祝辞たまんないよねぇ!!」「僕こっそり録音しちゃった。」「え、ずーるーいー!」駄目だ聞いてもさっぱりだ。これは俺だけなのかな、少しだけ不安になってしまいこの教室内で唯一の知っている人物の方に目をやった。
「…駄目だこりゃ。」
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