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見た目は染めているであろう金髪で、服装はホストの方々が着ていそうな品物ではあるが、話している内容はとっても普通だった。人は見かけで判断してはいけないな、と考えさせられるような御人。ただ、隣りや前の席の生徒の甘い言葉で先生に対してボソボソ呟くの辞めてほしい。「抱いて欲しい。」とか真面目にやめて欲しい。お粗末な俺の空想力で想像しちゃうだろうが。
この際こういうものだと割り切る事にして、先生の話を聞き一先ずお昼までは自由時間となった。先生もお昼まではこの教室にいることにしたのか、部屋に設置してある簡易的な教員用の席に腰掛けて教室内を見ていた。何かあった時に安心だなと、無駄な心配を思考に浮かばせながら、回ってきた授業日程表を机の中に仕舞い、替りに財布を出してポケットに放った。そして目的である人物の所に行こうと席を立った。
分かってはいたのだけど。溝内先生は席に着いて数十人に取り巻かれていたが、同じくらいの生徒が慶の周りにもいた。転校初日の生徒の様だ。確かに、綺麗だし仕方ないのは分かるんだけどな。でも、それは駄目な訳で。
「先生、飲み物買ってきても良いですか?」
「構わねぇけど、まだ他の教室も話してるだろうから静かにな。」
「はーい。」
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