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俺はふと目を開けた。理由?んなもん目覚まし時計が鳴ったからに決まってるだろ。何か文句あんのか?あぁ?
この言葉遣いから分かる通り、俺はヤクザの息子だ。若、若と皆には呼ばれている。
若というのは俺の名前ではない、ヤクザの息子の事を指す呼び名だ。ちなみにそんな俺の名前は埋塚 匡史(まいづか ただふみ)だ。
着物に着替え、俺はワックスで髪を固め、巾着にスマホや財布等を入れて紐を引っ張って袋口を絞り、カーテンを両端に寄せ、部屋から出る。
「おはようございます、若!」
「お前ら、今日はデートなんだからついてくるんじゃねーぞ。分かったな?分かったら返事!」
「「「はいはい!」」」
「はいは一回!」
「「「はい!」」」
「良し!じゃ、行ってくるから戸締まり頼む。父…組長が帰ってきたら開けてやってくれ。」
「「「はい!」」」
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