たとえそれが君にとってはただの一日でも

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「え…」 少し、期待したんだ 君のその瞳の先に もしも俺が映っていたら? その瞬間に生まれるのは どれだけ幸せなものなんだろう 「…濱ちゃんは俺と泰成が喧嘩した時話聞いてくれたりしてさ、結構惹かれてたんだ。それで、いつのまにか本気で好きになったんだ」 おかしいだろ あいつはお前じゃないやつが好きなんだ 俺はお前を好きなのに きっと俺にとって お前は掛け替えのない存在で お前にとってのそれが 濱ちゃんだったというだけのこと こんなことは覚悟してたはずなのに あんなに思わせぶりな態度をとられたら 期待するなという方が無理だろう 「っ…お、れは…いいと思う…」 一言目が出てから その後はすらすらと出てきた 「だってお前が好きになったやつなんだろ?たとえ性別が同じでも、俺は応援する」 嘘だ 「…ありがとう。泰成」 お前が俺に 世界で一番 お前にだけに優しい嘘をつかせたんだ お前にとってそれは魔法で 俺にとってそれは呪いだった 叶わない恋を応援するのは少し辛い だってあいつは 俺のことが好きだから
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