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(あの時から僕、悠人の事が大・大・大好きだったんだよ……)
「何か言った?」
「ううん。少し眠ってもいい?」
「いいよ。着いたら起こすから」
ありがとう、と瞼を閉じた。
そっと、頬に指を這わす。
車を出す前に悠人がキスしてくれた所が、やけに疼く。
そして少しだけ体を傾け、悠人にわずかにもたれた。
言えなかった言葉は、もう少し経ってから伝えよう。
「おやすみ」
「おやすみなさい」
(おはようのキスは、唇にしてくれないかな……)
二人を乗せた車は、ゆるやかなカーブを降りて行った。
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