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リンは中指をグーにしまって、人差し指を立てた。
人差し指にもマニキュアがあった。
その図柄は漢字の『人』か、あるいはカタカナの『イ』にも見える。
アンテナのマークだろうか。
そして中指にもなにか描かれていたことを思い出す。
たしか、リボンのマークだった。
漢字の『又』みたいな図柄だったと思う。
「デスビーム、ビビビ」
人差し指を向けて、リンが冗談を言い。
わたしは小声で答えた。
「クリリンのことかー」
「デスビームでやられたのはベジータだよ」
「あ、そうなんだ……」
ぱちんぱちんと爪を切る。
やすりがけ。
「こんなもんで、どうでしょう」
「良い、良い」
リンは人差し指をグーにしまった。
親指はなかなか出てこなかった。
どうかしたのだろうか。
わたしはリンの顔を見ようとした。
その時、今度はリンが大声を出した。
「はい、親指!」
「お、おう、よしきた」
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