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気付けばあれから2週間が過ぎていた。
そんな感覚はなかった。それもそうだ。同じ時間に起き、同じ時間に殴られ、同じ時間に寝る。これはもう一つの生活習慣となっていた。毎日が同じことをし、一日一日を判別することが難しくなっていたからだ。
だが、いつもと違うことが起きたのは八月の三週目の木曜日だった。
いつも通り登校し、靴を履き替えていると、泣いてる南美桜がいた。
僕はなんで泣いているのかを尋ねると彼女は鼻をすすりながら、ごめんなさいと繰り返していた。
「南さんに謝られるようなことはされてないから。謝るのはやめてください。」
ようやく彼女は涙を拭い、震えた声で話し始めた。
「最初に気付いたのは、水泳の練習から帰る途中のことだったの。
練習が長引いてしまって、すっかり暗くなっていたから近道で学校を通ったの。そしたら君と青山くんが話していて、仲がいいなと思った。でも、よくよく校庭を見ると、青山くんのグループの人たちが集まっていて、私にも聞こえる声で言ったんだ。君を呼んでここで殴るのもありだなって。」
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