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完璧な彼女と同じように彼もすべてにおいて恵まれていた。名前は青山というそうだ。高身長で顔は整っており、クラスでは頼れる存在となっていた。サッカー部のエースで、テストでは常に一位を保っていた。
彼らは常に周りに人がいて、僕なんかでは近づくことすらできないくらいだった。近づこうなど思うわけはないけど。
昼の間僕は屋上でどこか遠くを見ていた。昼は彼らが最も活発になる時間だからだ。いくら存在がなくても、こちらの精神が持たない。
そんなことを考えていると、昼が終わるチャイムが聞こえ、ゆっくりといつも通り出口に向かう。ただ一ついつもと違うことはここで僕が人と話すことだ。
目の前で開けようとしていたドアが開かれ、つい後ろに下がってしまう。
そこで彼女は最上級の笑顔を向けて言うのだ。
「こんなところで何してるの?」
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