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声がしたほうにはあの南美桜がいた。
「君はどうしてこんなところにいるの?」
彼女は満面の笑みを浮かべていた。
「昼飯が食べれる場所がないので。」
正直に答えると彼女は吹き出していた。顔に出てしまっていたのだろう。彼女は最初にごめんなさいと言った。
「君が真面目な顔で言うもんだから。」
僕はため息を吐きつつ、彼女に聞いた。
「南さんはどうしてここに?」
先程の笑顔を残したまま答えた。
「彼氏とここで話をするためだよ。」
気づいたら僕は走り出してしまっていた。多分自分の身の安全を優先してしまったからなのだろう。
僕は南美桜の彼氏である青山佑介に暴力を振るわれていたのだ。悪戯や喧嘩といった解釈の余地を残さないほど徹底的に。
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