短い恋と長い失恋

出会いから終わりまで

とりあえず落ち着くんだ。だいぶ離れたのを確認し、気分を落ち付けようと空気を大きく吸い込む。さすがに彼女の前では暴力を振るわないだろう。
ようやく冷静になった頭で何をやらかしたのかを理解した。
僕が彼の話をしたときに逃げてしまったことを南さんは不審に思うだろう。それについて彼に聞いてしまうかもしれない。当然露見したくないため、上手な言い訳をつき、僕に暴力を振るうだろう。
まあ成るように成るだろう。僕は楽観的に考えていた。僕の想像を遥かに超えることが起きるのは、これから一ヶ月後のことだった。