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プロローグ
広く薄暗い倉庫の中、大勢の男達が、ぐるりと何かをとり囲むように立っていた。
その中心で、脱力しきった美しい男が1人、椅子にくくりつけられている。
動けない彼のそばには心配そうな面持ちで寄り添っている、これまた綺麗な男が1人。白い首元には革製の、紅色の首輪がつけられている。
「わんちゃん、ちょーっと俺らと遊ぼうか。」
首輪をつけた男性の方に、ニタニタと下品に笑う男たちが寄ってきた。
「主人が脱力しきって目隠しされてる状態だもんなぁ?いくらDomのトップとはいえglareさえ封じれば何もできないだろ?」
「主人に危害を加えられたくなければ大人しくしてな。」
「愛染家の跡取りが、妹ごときのためにこのざまか。笑える。」
周りを囲む男たちは楽しそうだった。
数々の罵詈雑言がとめどなく浴びせられる。
Dom性のトップと謳われる愛染紅司は、ここに来てからずっと黙って、男たちの言うことに従っていた。
妹を人質にとられ、薬を飲めば助けてやると言われたから、目隠しをされ、薬を飲んだ。
妹が解放された後も、縄で手を縛られても、椅子にくくりつけられても、何も言わずに。
しかし。
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