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「お利口にしなよ、わんちゃん。」
周りを囲む男の1人がいやらしい手つきで愛染のSub、一葉に触れた。
その瞬間、愛染の口角が自信たっぷりげに美しく吊り上げられて。
「おいおいどうした、とうとう頭でもおかしくなったか?」
「喋る以外になーんもできないくせにな!」
何を言われても、愛染の口角が下がることはない。やがて妖艶に濡れた真っ赤な唇が艶やかに開かれた。
「行け、一葉。」
凛とした低い声が、その場に響き渡る。
「かしこまりました。」
深呼吸とともに愛染のとなりに寄り添っていた一葉の目つきが一変した。
刹那、大勢の男たちの口元から笑みが消え、彼らは揃ってピタリと動けなくなってしまう。
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