第2話 途方もない役職

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「あ、あの、すみません。僕は旅の者でして……」 「な、なんじゃ貴様は! それ以上近寄るな! ハルバートの錆にしちまうぞ!」  けんもほろろとは正にこの事だろう。唾が撒き散らされるほどに威嚇された僕は、ひとまずその場から逃げ出し、町外れまで戻ってきた。その間中、耳元では笑い声が激しく響いた。 ーーアヒャヒャヒャ面白ぇ! この役職を初めて使ったけど半端無さすぎだわ。クソ笑えるぅーーッ! 「あの、僕はなぜこんなにも嫌われてしまったのですか? いくらなんでも釈然としませんが!」 ーーそりゃアンタ。そんな際どい格好してたら不審がられるでしょ。 「格好って、ごく普通の服装じゃないですか!」  改めて首から下を眺めると、特に目立つものの無い、一般的な冒険者スタイルで統一されている。これでダメなら、大多数の人物も不適切って事になるはずだ。 ーーええとね、これも役職による効果なんだけどさ。アンタは他人からの目線だと、全く別の格好をしているように見えるんだ。レイン君自身には分からないけどね。 「それはつまり、みんなからは冒険者の姿として見られてないって事ですか?」 ーーそうそう。察しが良くて助かるわ。 「具体的に言ってどんな格好なんですか?」     
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