第2話 途方もない役職

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ーーどうよ。これで変更可能になったから。役職の所に指で触れてみな。そうしたらどんな物でも選びたい放題だよ。 「選びたい放題……ですか」 ーー武器の弱い序盤は守護者や拳聖が良いかな。素手でも強いからお勧めだよ。万能路線なら救世主か聖騎士あたりが……。 「あの、変わりませんけど?」 ーーえっマジで!? 編集状態なのに? 「それが何なのかは知りませんけど、ともかく変えらんないですよ」  現実ではご高説と真逆の事が起きていた。僕の指は虚しく【変態】をなぞるだけで、変化の兆しすら見ることが出来ていない。 ーーほんとだ、なんで変更不可なのよコレ……ッ!  耳に届く声から余裕が消えた。嗤(わら)われないのは嬉しいけど、同時に不吉な予感が襲ってくる。 ーーええとね、これから担当者に聞いてくる。だからそれまで独りで頑張って! 「ちょっと! ほったらかしにする気ですか!?」 ーーまぁ別に死んだりしないっしょ、平気平気。じゃあ後はよろしく。無茶しないでねー。 「ねぇ、待ってったら!」  それきり声は聞こえなくなった。あんな酷い人でも、居なくなると心細く感じるんだから不思議なもんだ。     
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