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第3話 日銭かせぎ
僕がやってきた町はブレイメルという名であること。そして大抵の店では門前払いを食らうこと。それが半日かけて探索した挙げ句に得た成果だ。とにかく『消えろ』『出ていけ』と追い払われるばかりで、世間話すら取り合ってはもらえなかった。
「本当にどうしたもんかなぁ……」
僅かな望みを込めて女神様に語りかけてみた。返事は全く無く、本格的に僕を放置するつもりのようだ。どこまで無責任なのかと腹が立つけれど、ともかく生き延びる手段を見つけなくてはならない。
所持品はショートソードが一本、干し肉とパンが一食分だけある。所持金は無い。これが僕の持ちうる物の全てだ。
「これで一体どうしろと……」
ブレイメルという町の話なんか、これまでに聞いたこともない。だから親類どころか知人の一人も居らず、完全に孤立無援に陥ってしまっていた。まぁ仮に、前世の知り合いに運良く出会えたとしても、別人と化した僕に協力してくれそうにもないけれど。
「ともかく、お金を稼がないと始まらないか」
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