第3話 日銭かせぎ

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 足音をなるべく殺し、忍び足で進む。スライムは物音に反応すると聞いた事があるからだ。背の高い雑草などには特に気を付けながら探索を続ける。すると、制止したまま動かずにいるスライムを見つけた。まだ僕の存在には気づいていないようだ。  逆手持ちの剣を一直線に突き立てた。それが致命傷となり、倒れる。こうして2つ目の核は簡単に手に入れることが出来た。 「やった、こうすれば安全に倒せそうだぞ!」  喜びのあまりに大声を出したのは迂闊だったと思う。それに反応したスライムがワラワラと集まってきてしまったのだ。ざっと見て10匹以上。当然ながら僕は逃げる。相手もやはり僕を追う。  好事魔多し。上手くいってる時ほど気を付けろという意味の言葉らしい。全力疾走で逃げ回り、体に浅傷を量産しながら、父さんからの教えをおぼろ気に思い出していた。
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