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「ええと、Fesー17で、致命的な設定項目の存在を確認。管理不能に陥るため、扱いには十分注意すること……」
「おい黒羽。まさかとは思うが」
「ええと、やっちまったかも。これって役職の話で良いのかな?」
「その通りだ。確か、途方もない変態とかいう名称のものだ」
「ごめん」
「唐突に謝んなよ、さすがに冗談だよな?」
「ごめんなさい」
「黒羽ェーーッ!」
私のメンタルはもう限界だ。知らなかったとはいえ、とんでもないミスをやらかしたもんだ。まさかちょっとした悪戯心が大事になるとは思ってもみなかったのだ。
受話器から衝撃波が飛んでくる。まさか鼓膜を破るという処刑法なのか。拳一個分の距離をとり、供述を続ける事にした。
「お前マジかよ! ふざけんなよオイ!」
「いやごめんて。ほんの出来心だったんだわ。押しちゃいけないボタンをスイッと押しちゃった感じなんだわ」
「子供じゃねぇんだぞバカ野郎!」
「そんな事よりもさ、念のため聞いておきたいんだけど」
「誤魔化し下手か!」
「この役職って本当に変更できないの? マスター権限でも弾かれるなんて異常じゃないの」
ここで真島は一気にトーンダウンしてしまう。今度は逆に受話器を耳に押し当てないと聞こえないほど、消極的な声に切り替わっていた。
「……情けねえ話だが、ウチのチームじゃお手上げだ」
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