第7話 試練と書いて

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「貴方にかけられた嫌疑は、私が一身を賭して晴らしてみせましょう」 「……はいぃ?」  予想外の申し出に、つい間抜けな声を出してしまった。オリヴィエは冗談やホラを吹いたつもりは無いらしい。濁りのない目のままで話を続けた。 「町の方々と仲違いしたままでは心苦しいでしょう。何かと不便でもありますし」 「いや、でも危険だよ。僕が戻れば大変な事になるよ」 「私はブレイメルに赴任してより、短くない時間を過ごして参りました。少なからず信用もあります。話くらいは聞いていただけるでしょう」 「そうかなぁ、でもなぁ」 「まずは試してみませんか。善は急げと申します」  オリヴィエはにこやかに微笑むと、僕の手を握りしめて先導した。正直不安だ。あの場所に戻る事は恐怖そのものでしかない。  それでもだ。この手を伝う温もりが僕を前へと動かした。彼女の金色に光る髪が風に揺れて靡く。それがまた、不思議な安堵感を与えてくれるのだった。  この先に希望はあるのか。彼女が突破口を切り開いてくれるのか。その前途を占うように、木漏れ日が薄暗い森を明るく照らしていた。
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