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第2話 途方もない役職
目を覚ますと僕は森の中に居た。一面真っ白の空間よりは親しみを感じるけれども、見慣れた景色ではない。ここも初めて訪れた場所なんだろう。
「本当に生き返ったんだ……」
自分の体を一通り眺めてみる。まず服装の違いが目についた。当時着ていた擦りきれの普段着ではなく、真新しい麻の服を身に付けている。その上に厚手のマントを羽織り、足元には丈夫そうな皮靴、そして腰にショートソードが一本ある。まるで駆け出しの冒険者らしき格好だった。
「体つきも別人みたいだ。甦ったというより、生まれ変わった感じなのかな」
近くの泉に顔を写してみると、かつての面影は残されていなかった。これではきっと、両親や友達と再会しても気づいては貰えないだろう。その予見がいくらか心を重くした。
それにしてもだ。女神を名乗る女性は、僕に世界を救えと言った。だけど今の状態からして、大事業を成せるほどの力を与えられたとは到底思えない。装備だって貧弱そのものだ。
「見張りも居ないようだし……。やらなくてもバレないかな、使命なんて」
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