第10話 魔法のある暮らし

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「おめでとうございます、レインさん。貴方はたった今、ご自分の役職について成長なさったのです」 「そうなの……?」  僕は素直に喜べなかった。それはもちろん割り当てられたモノがモノゆえにだ。成長するととうなるんだろう。より危険な存在になるのか、あるいは酷さが和らぐのか。確かめるのが怖い。それでも見ない訳にはいかず、薄目からの確認となった。  成長したらしい僕のステータスは、次のように記載されていた。 ◆ 名前:レイン 性別:男 年齢:18歳 武術:1.62 魔術:1.00         初級魔法1.00 適正:隠密 技能:特殊交渉術 役職:途方もない変態 役職練度:初級 ★ 犯罪歴:無し ◆  大きく変わったのは魔法の項目だ。今まで何も無かった所に『初級魔法』と追加されたのだ。そしてこれは気づきたくなかった事だけど、役職熟練度に星がついていた。 「経験積むほどに熟練度は向上し、一定値を超えると★が追加されるようです。これは励みになりますね」 「そうだろうね。全うな役職ならね」 「初級の隠密魔法も習得されたようです。密行(スニーク)という魔法と、もう1つは……」 「もう1つは?」 「すみません。私は扱えないので、隠密系統には詳しくないのです」     
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