第2話 途方もない役職

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 それを取り出せと言われた。だから、何かしらの特典が用意されているんだろうと思ったのだけど。 「ええと、名前はレインのまま。能力は……」 ーーうんうん。そのまま読み進めてねー。  魔法紙には次のように書かれていた。 ◆ 名前:レイン 性別:男 年齢:18歳 武術:1.00 魔術:1.00 適正:隠密 技能:特殊交渉術 役職:途方もない変態 役職練度:初級 犯罪歴:無し ◆  ……弱い。平民の時に比べて適正と技能が追加されたくらいで、注目する程のものは何もなかった。きっとそこらの山賊の方がよっぽど強いと思う。 「あの、女神様? こんな平凡な能力でどうしたら良いんですか?」 ーーどこが平凡なのよ。よく見てみなって。ほら役職のところ! 「役職……ッ! と、途方もない変態!?」 ーーブヒャヒャヒャ! やべぇマジやべぇ! とんでもねぇヤツを甦らせちまったぁーーッ! 「ちょっと! 笑ってる場合じゃないですよ!」 ーー何怒ってんの。よく言うでしょ? 旅をするなら剣士、神官、魔術師に途方も無い変態ってね。 「聞いたことありませんよそんな言葉!」  耳元がやたら五月蝿い。ヒャッヒャ、ヒャッヒャと笑い続けてる。この人は本当に使命を全うさせる気があるんだろうか。 ーーまぁまぁ、ともかく町に行ってみよう。その役職の破壊力を肌で知ろうよ。     
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