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それを取り出せと言われた。だから、何かしらの特典が用意されているんだろうと思ったのだけど。
「ええと、名前はレインのまま。能力は……」
ーーうんうん。そのまま読み進めてねー。
魔法紙には次のように書かれていた。
◆
名前:レイン
性別:男
年齢:18歳
武術:1.00
魔術:1.00
適正:隠密
技能:特殊交渉術
役職:途方もない変態
役職練度:初級
犯罪歴:無し
◆
……弱い。平民の時に比べて適正と技能が追加されたくらいで、注目する程のものは何もなかった。きっとそこらの山賊の方がよっぽど強いと思う。
「あの、女神様? こんな平凡な能力でどうしたら良いんですか?」
ーーどこが平凡なのよ。よく見てみなって。ほら役職のところ!
「役職……ッ! と、途方もない変態!?」
ーーブヒャヒャヒャ! やべぇマジやべぇ! とんでもねぇヤツを甦らせちまったぁーーッ!
「ちょっと! 笑ってる場合じゃないですよ!」
ーー何怒ってんの。よく言うでしょ? 旅をするなら剣士、神官、魔術師に途方も無い変態ってね。
「聞いたことありませんよそんな言葉!」
耳元がやたら五月蝿い。ヒャッヒャ、ヒャッヒャと笑い続けてる。この人は本当に使命を全うさせる気があるんだろうか。
ーーまぁまぁ、ともかく町に行ってみよう。その役職の破壊力を肌で知ろうよ。
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