第12話 洞窟の怪

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 それらは全てカウンター攻撃だったらしい。拳が動く度に魔物が一匹、また一匹と地面に落ちていく。そして何十もの敵を葬ると、辺りには不気味な静寂が再訪した。 「なんだなんだ。骨の無い連中だな。こっちは体が温まってすらいないぞ」  男は無傷であり、体力もだいぶ余裕を残していた。強いなんてもんじゃない。もはや人の領域など遥かに超えた存在のように思える。  不気味な唸り声の正体は人間によるものだった。しかし、その人物は化け物並みに強いという、半ば噂通りの結末を迎えたのだ。  
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