第4話 初めての歓迎

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第4話 初めての歓迎

 日暮れまで戦っては逃げる事を繰り返すと、なんとか核を5個集める事ができた。体は疲れきっていて、あちこちから悲鳴が聞こえるようだ。今となっては些細な段差を乗り越えるのも辛い。 「宿屋に泊まりたいけど……門前払いだろうな」  昼間に訪ねてみたけども、結果は散々だった。店番の人にいきなり『出ていけ、人を呼ぶぞ!』と怒鳴られた挙げ句に追い返されてしまったのだ。たとえ十分なお金があったとしても同じ扱いを受けてしまうだろう。 「ともかく、素材屋さんで換金しないとな」  町の入り口傍に宿屋があり、その向かいが素材屋となっている。目的地を決めたなら素早く移動。ボンヤリしていると守備兵に絡まれてしまいそうだ。だから駆け込むようにして店内へと逃げ込んだ。  中はこじんまりとした店構えだった。たくさんの麻袋が壁際で積み上がり、生々しい臭気を漂わせている。奥にはカウンターがあり、店主らしき男の人が誰かと話し込んでいた。どうやら先客が居たようだ。その後ろに並んで順番を待つ。 「ええと、スライムの核が2つね。これだと24ディナで買い取るが構わんかね?」 「もちろんだ。思ったより高く買い取ってくれるんだな」     
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