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Pessimist
朝から降り続く梅雨の雨は、激しくなることもなく、シトシトと一定のリズムを刻み続けている。空は厚い灰色の雲に覆われていて、ほんの少しの晴れ間すら見えず、雨があがる気配はない。私は薄いシーツを被って、ベッドの上で蹲り、両手で耳を塞ぐ。雨の音をずっと聴いていると、気が狂いそうになる。誰かに助けてほしいと思うけれど、助けてくれる人なんてどこにもいない。
私は欠陥だらけの人間だ。頭は悪いし、運動は苦手だし、音痴だし、見た目は最悪だし、いいところなど一つもない。“天は二物を与えず”というけれど、一物さえ与えられていない私は、いったいどうすればいいというのだろう。どうして私みたいな人間が生まれてきたのか、本当に私のような人間が生きていていいのか、わからなくなってしまう。
私はこれまでに三回自殺した。いや、死にきれていないのだから、正確には自殺未遂をしたということになるのだろう。私が自殺をしようとした日は、どの日も雨が降っていた。雨が降っていると、自然と憂鬱になっていき、自殺したくなる。私にとって雨の日は自殺日和だ。
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