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それでも足は動き、息子と面会するために今日も刑務所へと通うのだ。
そして幾日、幾年も過ぎ、何にも理解らないままに息子が出所する日が近付いてきた。
このまま迎えに行って、一緒に暮らし始めたところで、これから私はどう息子と付き合っていくべきなのだろうか。
理解らない、矢張り理解らないのだ。
震える身体を抑え、息子を迎えに行こうとしても足は動かず、その日になって、初めて刑務所には行かないで家にこもった。
――その日の夜、珍しく家に電話があり、私はその主から衝撃的な話を聞かされた。
……息子が、本来ならば出所する筈の今日、自殺をして亡くなったというのだ。
取るものも取り敢えず刑務所へと急ぎ、遺体安置所に案内された。
そこに横たわる、冷たくなった息子。
目の当たりにしても尚、息子が亡くなったという実感が湧かない。
“哀しい”という感情すら湧かず、どうして良いのか分からずに、ただ息子の前に立つ。
今まで見た事もないような、とても穏やかな表情で、今にも起き上がってきそうだ。
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