第1章 桜の樹の下で

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*  その夜芽衣の家で、わたしの為に盛大なお別れ会を開いてくれた。  芽衣の家族やその仲間たちが大勢集まり、食べきれないほどのごちそうの向こうにはビデオが流れていた。  それは、わたしたち3人の、幼稚園からの成長の記録であり想い出の記録だった。  わたしがアンカーの芽衣にバトンを渡す。  そして全員を抜き去りゴールして涼しい顔をみせる芽衣。  背の順ではいつも前から3番以内のチビのくせに、すばしこくて足が速く、わたしも駆けっこは得意なのに、いつも芽衣にだけは敵わなかった。  芽衣は頭の回転も早く、何でも飲み込みが早い。  でも授業をちゃんと聞いてないので、テストの点はわたしの方が少しだけ良かった。
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