第2章 空白

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 引越し先の中学でバレー部に入った。  入学当初は背の順で後ろの方だったのに、わたしの成長はそこで止まってしまった。  2年生の始めに、バレー部を辞めて陸上部に移った。  成長が止まったことだけが理由ではない。  クラスやバレー部の中でイジメに遭ったからだ。  具体的に何かをされたわけではない。  無視――。  ある日突然クラスの皆が口を聞かなくなった。  そして放課後、バレー部の部室から聞こえてきたわたしの噂。  「亜沙美の家、ヤクザなんだって」  「マジ? 怖くね?」  「っていうか、犯罪で稼いだ金で学校通ってるわけじゃん」  「関わりたくないね」
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