第2章 空白

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 芽衣とは、引っ越したばかりの頃は電話やメールで頻繁に繋がっていた。  けれど放課後は部活に時間を取られ、暗くなってから帰宅する毎日の中で、自分の疲れや相手への遠慮から少しずつ連絡が空き始めた。  そしてその間隔は徐々に長くなり、いつしか完全に途絶えてしまった。  あんなに想っていた親友なのに。  一度本厚木の駅ビルで偶然再会したことがある。  でもお互いに友人を連れていて、目が合ったのに会話を交わすことができなかった。  何故だったのかよく分からない。  お互いの友達に気を使ったのか、それともお互いが連れていた新しい友達に嫉妬したのか、それとも初めて見るお互いの制服姿が眩しかったのか。  そうれら全ての感情が少しずつ入り混じっていたのかも知れない。
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