第1章 桜の樹の下で

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 物心がついた時すでにうちは母子家庭だった。  ママは駅前で小さなスナックをやっている。  だからいつも夜はおばあちゃんと2人きり。  去年の夏休み、ママの彼氏を紹介された。  ママと2人の遊園地のはずが、駐車場に着いたら突然男の人が3人も現れた。  黒くて大きな車も、3人の服装や目つきも、どうみても普通には見えなかった。  一番背の高くて怖そうな人がママの彼氏で、わたしはその人とママに挟まれて遊園地を回った。  その人は、いきなりわたしのことを呼び捨てにした。
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