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第4章 想い #2
*
週明けの月曜日、事態が悪化した。
昼休みに同じクラスの加藤君が、皆の見ている前で芽衣を映画に誘った。
そして芽衣がそれをOKしてしまった。
「今、亜沙美の方見てたよね、あいつ」
「加藤のことなんか何とも思ってなかったくせに。絶対亜沙美に対する嫌がらせだよ」
それはわたしも少し感じた。
「兄貴とヤッて妊娠するは、放課後美人局で稼ぐは、その上加藤とまでヤルつもりだよあいつ」
「ヤリマン過ぎじゃね?」
「うん。もう無理。許さない」
「うん。明日の朝やってやろう」
カズエとユキを含めた周りの数人は、わたしが加藤君を好きだと前から誤解している。
確かに加藤君とは話しやすくて好きだけれど、それ以上の感情はない。
カズエとユキがわたしを思ってくれたのは少し嬉しい。
でも違うのに。
この芽衣の取った行動で、土曜日の時点で火が付いていた2人の心に、更に油を注ぐ形になってしまった。
芽衣のバカ。
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