第4章 想い #2

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 カズエとユキは、わたしの制止など全く耳に入らない様子だった。  こうなるともう、芽衣の口から直接説明させる他ない。  変則授業の5時間目中考え、わたしはそう決心した。  帰りのホームルームで何と切り出そうかと悩んでいる内に、気がつくと既に芽衣の姿は教室に無かった。  5年ぶりに芽衣に電話をかけた。  留守番電話だった。  わたしは必死でカズエとユキを説得してる人の気も知らないで、トドメを刺した芽衣に腹が立っていた。  「あんた覚悟しておきなさいよ」  そう入れて、電話を待つことにした。  しかし夜になっても芽衣からの電話は掛かってこなかった。  *  翌日、早めに家を出て、校舎の影から様子を伺っていると、カズエとユキは宣言通り写真をバラ撒いた。  掲示板や昇降口など至る所に貼り付けて行くその後から、私はそれを剥がして回った。  赤いマジックで、<2-3 相沢芽衣 放課後援交中>と書き添えられている。  芽衣はその日学校に来なかった。
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