1.倫音、選ばれる。

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--------------------------- 「ウコンの力、ありがとうございまーす!」 携帯ポットに詰め替えたウコンドリンクを持たせ、荒ぶる恵子をタクシーに押し込み、見送る。 日付が変わろうとする『S』の店内には、タカシと倫音だけが残った。 「どうだった? オーディションは」 「複数のオジサンの前で、ウォーキング&ポージングです。水着姿で」 「もしや、ビキ…」 「競泳用のワンピースです。太もも全隠しの。それしか持っていなかったので。想像を裏切るようで、すみません」 「それは、目立ったろうね」 ある意味、想像通りだったため、吹き出しそうになるのをタカシは堪えた。 「インパクトは残せました。プロデューサーにも、スポンサーにも、神野仁にも…」
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