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今日も、お姉ちゃんは朝から電話しながら怒ってる。
最近いつもイライラしていて、僕達は三匹揃って、
「お姉ちゃん、大丈夫かなあ」
「またなんかあったのかもね」
「僕達もなんかできることないかな」
「.......そうだ。僕に任せて!」
僕は一番最後にお姉ちゃんの弟になったニアっていう名前を貰った猫。僕の知らない、昔いたお兄ちゃん猫を亡くしてから、お姉ちゃんが傍にずっといるよう、って付けてくれた名前。
僕に弟がいたらしいけど、お姉ちゃんはお母さんに捨てられている僕らを大事に引き取って、すごく愛してくれている。
僕のお兄ちゃんになってくれた、他の二匹の猫も、僕のように捨てられた子達らしい。
二番目のお兄ちゃんなんて、病気までしてたみたい。
僕は大声で怒鳴るお姉ちゃんに、
「大丈夫!?」
って鳴いた。
すると、今まで怒ってたお姉ちゃんが、
「ごめんね、ビックリしたよね、もう怒らないから安心して」
そう言って僕をぎゅうって抱きしめてくれた。
お姉ちゃんは身体が弱いんだ。
だからいつも、辛そうな顔をしていると、僕達が辛くなってしまう。
お姉ちゃんは僕たちのために、美味しいまんまも、暖かい眠る場所も、一緒に遊んでくれることもしてくれる。
僕は小さい時、本当に怖かった。
ずっと小さな身体でお腹も減って、カラスからつつかれても、逃げることもできず、
声をただ、上げていた。助けて、誰か助けてって、毎日鳴いていた。
今日はとても寒い。
お姉ちゃんは僕をぎゅってしてくれるから、僕はお姉ちゃんの膝の上で丸まった。
ゴロゴロ喉が勝手に鳴る。
お姉ちゃんは、「こんやくしゃ」っていう人がいて、その人のものになってしまうかもしれないらしい。
今日の電話の相手もその人だ。
そうしたら僕達よりも、その人の方が大事になったり、僕達ともうあんまり遊んでくれなかったりするんだろうか。
もうすぐ暖かくなるって、お兄ちゃん猫達が言ってた。
僕はずっとお姉ちゃんと一緒にいたい。
どこにも行かないで、お姉ちゃん。
怒ってもいいから、僕がいつでも傍にいるから。
だからもう泣かないで。
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