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「最近、なにかキャンペーンやってる? 孫の名義で定期作ろうと思うのだけど」 「ちょうどやってますよ。今なら来月十五日までに五十万以上の定期預金していただくと利率〇・一五%で、オリジナルタンブラープレゼントします」 「〇・一五ねぇ、まあまあいいわね。タンブラーは微妙ね」 「はは、微妙ですか。奥さんなら特別にティーカップに変えておきます」 「なら明後日、さっそくお願いするわね」  口は動かしながらも、入金処理をする手は止めない。仕事自体はごく単純なものだが、こうして顧客とおしゃべりをするのはとてもいい気分転換になる。 「お孫さん、四歳でしたっけ」 「先月、五歳になったの。も~可愛くってね。福島さんの娘さんはもう中学生だったかしら?」 「ええ、中学二年生です。思春期真っ盛りで、相手にしてくれないんです」  暗い空気にだけはしたくないので明るく言った。奥さんも「今だけよ」と笑っている。奥さんはいったん席を外した。そのあいだにすべての処理を終わらせておく。片付け終えたところで、戻って来た奥さんが焼き菓子のプチギフトをくれた。 「ご家族で食べて」 「こんなことされると困りますよ」 「いいの、これは取引じゃないからね。いつもありがとう」  
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