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 ――息子がいたら、こんな感じだったのかなぁ。――  ……川原くん、温かったな。困ってたけど、それがまた可愛かった。  きみは二年も家族に会わなくて寂しくないのか?  僕が川原くんに頼ったように、川原くんも僕を頼ってくれたら、甘やかしてあげるのに。  そうだな。ころころパイを食べて、頭も撫でてあげようか。十九の男の子は頭を撫でられるなんて嫌なんだろうか。 『撫でるのは頭だけですか?』  えっ。 『肌にはけっこう自信あります。福島さんより若いから』  そりゃ、そうだろうね。 『髪だけじゃなくて、全部撫でて下さい』  だめだめ、何やってるの。寒いのに服なんか脱いじゃ駄目だよ! 『福島さんが抱き締めてくれたらあったかいから大丈夫』  こ、こら! ぼ、僕には妻と娘が……っ、か、川原くん……かわ……、 「はっ!!」  目覚めると爽やかで寒い朝。カーテン越しの朝日で部屋がうっすらと明るい。ここ最近なかった、男性特有の朝の現象に動揺してしまった。 「なんつー夢だ……」  脂汗と動悸で息切れしている僕の隣ですやすやと眠るかなえに、ひどく罪悪感を覚えるのだった。
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