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「ほら、あの子だよ・・・・・」
「え?だって、あの子智彰君の妹の親友でしょ?」
「妹つかって近づいたってこと??」
「さいってーーー」
卒業式の翌日。
智彰先輩たちの卒業を待っていたかのように
私が放課後先輩といることが
一気に広まってしまった。
最初は2年生から。
そして、あっという間に1年へ。
それはユウタの耳にも
エレンの耳にも入った。
ユウタ「みはる、部活が終わるまで待っててくれないか?」
みはる「うん・・・・・」
ドクンドクンと心臓の嫌な鼓動が
身体中で広がった。
言い訳しなきゃ。
ここへきても卑怯な私は
ユウタに嫌われないように
どうにか自分と取り繕う事ばかり。
あの事だけは、絶対に言えない。
みはる「エレン・・・・あのね?」
こうなってしまった以上、
エレンには本当のことを話そうとした。
エレンの大切な兄を
私は利用しているのだから。
エレン「話すことなんてない・・・・・」
冷たい声に身体が動かなくなってしまった。
グラウンドが見える校庭の隅にあるベンチに
1人座ってユウタを待つ。
寒さなんて感じなかった。
ただ、私は大切な2人を
どうにか失わない様に
色んな事を考えてた。
頭の中ではどれもうまくいかない。
怖い・・・・・・。
ユウタに嫌われてしまったら
エレンがもう口をきいてくれなくなったら
失いたくない2人を
私は・・・・・・。
ユウタ「みはる、こんなとこにいたのかよ」
( ゚д゚)ハッ!
部活を終えたユウタが
ポケットに手をツッコんで
私の方を見ていた。
みはる「ユウタ・・・・・」
ユウタがここに来たってことは
もう2時間も経ったんだ。
ユウタ「寒かったろ・・・・・」
ユウタの優しさに
涙が出そうになった。
。
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