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桜を見るとあの頃を思い出す。
フミという女がいた。
彼女と知り合ったのは大学時代、テニスサークルの新歓コンパだった。
テニスの時ピンクを基調としたジャージを見た瞬間から、だいたいこんな女やなということが
わかったが実際はもっとひどいという事がその飲み会後の出来事で理解できた。
その出来事のせいで僕は大学の帰りのもフミがいないか
ドキドキしなければならなかったのだが。
それはサークルが春の新入生獲得のために宴会つきで交流を深める新歓コンパ期間のことだった。
一回生と間違えられた僕と友達は、もう一度一回生の気分を味わいたくて
一回生のフリをしてサークル体験に付き合った。
私学で凄い生徒数だったし、僕らは理系だったのでなおさら同じ2回生からもバレなかった。
その新歓コンパの宴会後、一回生だけで集まり、下宿してる人の家に遊びに行く流れになった。
ただオゴリで飲みたくて、化けの皮が剥がれる内に帰りたかったが、
フミが「一緒に行かへん?」
と何故か誘ってきたから、行くことにした。
男4人と女2人やったと思う。
友達は「こわい」と一言残して電車で帰った。
下宿先ついたときには運命は決まっていた。
みんなで飲みなおしてひとしきり喋った後、
おれとフミ以外はみんな外に出ていっていた。
まるで二人を結びつけるかのように。
コンパで飲んでいたときから視線に気づいていたが、あまり気にしていなかった。
少し派手めの服を着て、目が少し離れていて垂れている。
目の下にもなにかキラキラするものを付けている。
常に上目使い。そんな印象を受けた。
ぶっちゃげ下ネタキャラの歌手を思い出した。
高校時代は姐さんとか呼ばれてそうな感じだ。
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