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夢ヲ探ル者
父の話をしよう。
僕の父は、ある大企業の社長である。その上、世界的な権力を持っている。というのも、社を成長させるのに随分と危ない橋を渡ったことに起因している。
そう先生は言っていた。
そんなわけだから、父に逆らおうとすれば、命がいくつあっても足りないのだ。誰が襲ってくるのかは分からないし、尚且つ父自身も恐ろしい。
理想が高すぎるのだ。
実際、僕は彼に逆らったことで施設に送られ、人には言えない生活を送った。まあ、それについて話す気はない。そもそも、思い出したくもないし、思い出せない。
送還の所以である怒った原因など、覚えていないのだ。
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