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「これにて終了です。体が軽くなったでしょう」
「あっ……そういえば来た時より軽い……」
お祓いが始まる前より体が軽い上に、熱を取り戻したかのようにポカポカしている。しっかり除霊されたのだろう。
「本当に助かりました。……あの、料金はいくらほど……」
「そうですね、本当は相当な量を祓ったのでだいぶ高い金額になりますが、今回は金銭面を考慮して五千円で良いですよ」
意外と良心的だ。万単位でかかると思っていたからちょっと拍子抜けした。財布を見るとちょうど五千円札があったので、それを設楽さんに渡す。
「五千円ピッタリですね、ありがとうございます。ああそうだ、ガラガラの出所は分かりましたか?」
「ええ、まだ確証ではありませんが、東京の近くにある元おもちゃ屋さんから持ってきたんじゃないかと思っています。来週の土曜日に廃墟に詳しい知人と行って、幽霊がいるか確かめる予定です」
「中に入るのですか」
「無茶はしません。ちらっと幽霊が見えたら退散します」
「そうですか……では、霊を見かけたら連絡をください。仲間と一緒にお祓いに向かいます」
「分かりました。その時はよろしくお願いします」
僕は設楽さんの電話番号を携帯電話に登録し、改めてお礼を言って神社を後にした。これで家は問題ない。次は同じことが起きないようにするための調査だ。
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