反抗酔狂期

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伝えたいことがあるワケでもない つくる人間でありたくて無理にでも、 言葉を紡ぐ、 絵具を絞る、 木を削る、 鉄を打つ、 言葉を紡ぐ、 粘土を練る、 言葉を紡ぐ。 先輩から頂いた作品を酔っ払って割ってしまった 使い勝手の良い小皿だった 僕の日常は少し不便になった ちょっと匙を置きたい時なんかにその小皿を探し、 もうないのだと気付き、僕は匙を、半乾きのシンクに置く。 マスターから頂いたグラスを酔っ払って割ってしまった 僕の給料なんかじゃ手の出ない代物だった 僕は大分ブルーになった だからとびきり手の込んだグラスを 自分でつくり直すことに決めた。 はたから見たら痛いだろうな ――へえこうゆうのが得意なんだね。 得意になりたいことはいくつもあるけど得意なことは一つもありません。 ――へえこうゆうのが得意なんだね、 ところで今日のファッションいかすじゃん。 伝えたいことがあるワケでもないのにムキになっちゃって泣いちゃったりして、 カラッポになって焦っちゃったりして素直にレ点つけて呼び出されちゃって、 ――無理につくる必要ないよねえ。 ――何もつくってなくても好きよ。 あいつら全員バカなんだって思ってる僕がバカなんだろうけど ――おはよう今日も一日頑張ろう って、朝だなんて解りきってるんで要りません。 ――無理につくる必要ないよねえ。 ――何もつくってなくても好きよ。 なんて言ってる奴らに言ってやっても どうせわかんないだろうけど言ってやります 一理もねえ。
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