勝利の亡霊

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パラディンはカフィの様子を見てそれを察して言った。 「最近の"旧スタット隊"の活躍は著しい。ここにいるロアを筆頭にまさに破竹の勢いだ。手引きしているの者がこれを黙って見ているとは思えんがな…」 「は、はい…」 (確かにそうだ。でもどうしても何かが引っかかる…) カフィはそのまま黙り込んだ。 パラディンはロアに話を振った。 「どうだ、ロア隊長?スタットの後任の重圧には慣れたか?」 「いえ、この前まで下っ端だったのにパビリオン副隊長や他の先輩を差し置いてこの地位ですから。どうやったらみんなが付いてくるのか、考える日々ですよ。慣れてなんかいません」 「そうやって日々成長していくのだ。パラディン殿も君と同じ歳で隊長を務めた身、君の気持ちは誰よりも理解しているさ」 会話を聞いていたローガンがロアに言った。 パラディンが続ける。 「そうだな、歳上の連中にもそれなりのプライドがある。纏めるのは苦労するだろうが、心配することはない。お前には確かな実力がある。それさえあれば自ずと付いてくるのさ。パビリオンを筆頭にな」 それを聞いたロアは嬉しそうに言う。 「総隊長にそんな事を言っていただけるなんて、光栄です…!俺、もっと強くなります。もっと強くなって、必ずこの国を救ってみせますよ!」 パラディンも小さく笑みを浮かべながら言う。 「頼もしいな、期待しているよ」 「はい!」 「ただ、戦闘以外での"装着"は厳禁だ。次やったら隊長から降ろすからな」 「…うっ?」 ロアの表情は一気に青ざめたが、それを見て少しだけ場は和んだ。 その後の隊長会議は順調に進み、約1時間程で終了した。
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