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隊長会議後、ロアはパラディンの私室に呼び出された。
何やら重要な話があるらしい。
ロアが部屋に入ると、パラディンとローガンがいた。
重大な話とは本当のようだ、と思いながらロアは疑問を投げかけた。
「何ですか?俺に話って…」
ローガンが答える。
「ロア君のラストアーマーについてだ。君は隊長となった今、専用のアーマーを着用していると思うが、実はそれはまだ未完成なのだ」
「どういうことです?使っていて特に不備は感じられませんが…」
それについてパラディンが答える。
「お前の使うアーマーは他の隊長のそれと遜色はない。装甲に関しては寧ろ上がっているだろう。だが、それでは足りない。敵の"新型"には対抗しきれないだろう」
「そんなことはありません…!俺は強くなってる。敵の軍隊長なんかまるで相手にならなかったぐらいなんですから…!」
少し不服そうにロアが言った。
「本来、グリーフ王国の"隊長"は世界に誇る最強の"個の集団"だ。インセンス帝国の軍隊長などアリのように蹴散らして貰わねば話にならない。それが出来ないのであれば問題はそれ以前だ」
パラディンは表情を変えず淡々と言う。
「くっ、なんだと…!?」
ロアは煽られたようで腹が立った。
「まぁ、落ち着け。そして話は最後まで聞け。俺はお前のプライドをズタズタにする為に呼んだわけじゃない」
パラディンがなだめた後にローガンも続く。
「全くだ…。ヒヤヒヤさせるな。直ぐに感情的になるのが、君の危ういところだぞロア君」
ロアは腑に落ちない表情のまま急かした。
「…じゃあ早く結論を言ってくださいよ」
パラディンはため息を一つこぼすと、真剣な表情でロアに向けて言った。
「お前には"新型のラストアーマー"を装着してもらう」
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