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「どういう意味ですか…?」
不思議そうにロアが問う。
「先程も言ったろう。君のラストアーマーは"未完成"だと」
「元々お前に新型を装着させるためのプロジェクトだ。だがコストと作成の時間が膨大にかかるのでな。残りのパーツが漸く完成したらしい」
ローガンとパラディンが立て続けに言った。
それを聞いてロアがもう一度問う。
「どうして他の隊長を差し置いて俺なんですか…?戦闘力ならシルヴァ隊長は俺より上だし、カフィ隊長なら行動力の幅が広がって今よりも戦いやすくなるはずです」
その問いに対し、パラディンは答える。
「…結論から言うとローガンの推薦だ。"スタットを超える逸材"になるかもしれない、と言われたんだ。お前が隊長になるよりも前にな。俺たちはお前の手並みを拝見していたが、その後の功績は素晴らしいものだった」
「以前から新型アーマープロジェクトを隊長会議で検討していたんだが、ロア君に決まったのだ。つまり他の隊長も容認済みだ」
ローガンは穏やかな表情で言った。
「そういうことだ。俺たちはお前の潜在能力に、賭けた」
2人の話を聞いてロアは思った。
(信じられない…。こんなにも早く力を手に入れられる。こんなにも早く、インセンス帝国を、潰せるんだ)
少し不敵な笑みを浮かべると、ロアは答えた。
「わかりました、必ず結果を出してみせますよ」
「よし」
するとパラディンがおもむろに部屋にあった大きめのケースを開け始めてロアに言った。
「準備をする、ラストアーマーの装着を許可するぞ、ロア」
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