勝利の亡霊

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「え、ここでですか?」 「そうだ、早くしろ」 言われるがままにロアは左手の腕輪のスイッチを押した。 煙を出しながらロアの身体に漆黒のアーマーが装着されていく。 「これでいいんですか?」 「ああ。そのままじっとしていろ」 するとパラディンは徐ろにケースから物を取り出した。 「これが最後のパーツだ」 するとそのパーツはロアのアーマーに反応するようにライトが点滅し、ロアに向かって動き出した。 「うわっ!なんだ!?」 ロアは動揺するがパーツは背後に回ると大きく開き、そのまま背中にくっついた。 もう一つは正面からロアの左腕につく。 正体は空を飛ぶための"翼"と、身を守る"盾"だったのだ。 「これでお前のラストアーマーは理論上インセンスの3人と同等になった。これを『ラストアーマーII(セカンド)』と名をつけよう」 「ラストアーマーII…」 「そしてこれが新しい武器だ」 ローガンが何かを持ってきた。 ライフル型の物と大型の剣のような物だ。 「スナイプスターとワールドストリームに変わる、上位武装、『スナイプジュピター』と『ワールドストリーム・レイジング』だ。使いこなしてみせろ」 パラディンが言うとロアはそれを手にとった。 「すごい…」 「試し撃ちと斬りは流石にさせてやれないが、違いは戦場に出れば直ぐに分かるだろう」 「隊長専用ラストアーマーが通常のものに比べて約100倍のコストがかかっているのに対し、この『ラストアーマーII』には500倍のコストがかかっている。つまりは君には500人、いやそれ以上の働きが求められているのだ」 パラディンの後にローガンは新型の"重み"を語った。 「500人…。そうですよね、スタット隊長はそれ以上の事をやろうとしていたんだ。俺はそれを、超えていかなきゃ」 意を決したような表情のロアを見てパラディンが最後に言った。 「そうさ。お前は"亡霊"ではない。スタットの…『グリーフ・オブ・グリーン』のその先を行け」 ロアはニヤリと笑って言う。 「…必ず」
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