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一方のグリーフ王国はいつ何時インセンス軍が攻め入ってくるのか警戒する日々でかなり疲弊していた。
ローガンが隊長会議で席を空けた折、副隊長のフレミング・マーレが指揮をとっていたがもはや緊張の糸が切れる寸前であった。
そんなタイミングで再びインセンス軍が更に戦力を揃えて侵攻してきているのである。
これにはマーレも頭を抱えていた。
「くそっ、遂に新型まで来たか…!兵達の士気も日に日に落ちてきている。一体どうすればいい…?」
するとマーレと共に戦地に残った指揮官、シュナイゼル・ドローンが言う。
「弱音を吐いている場合ではないぞ。君はあのスタットの"同期"であろう?情けない事を言うでない、我々で追い返すのだ!」
隣にいた"最強の同期"を思い出すと、マーレは顔をしかめて決意する。
(くっ…!今の大将は僕だ…やるしかない…!)
「各員は遠距離攻撃を主にして迎え撃て!出来るだけ敵の侵攻を長く止めるんだ!!」
一先ずマーレは臨時の対応を指揮することしか出来なかった。
指示されたグリーフ兵はスナイプスターをひたすらに撃ち続ける。
「…下らん。苦し紛れの愚策であるか」
ウル・トランは呆れた表情で言うと、スタンフォード・ブラッドに指示を出した。
「お前の敵ではない。やれ」
「了解…(あんたには突破できねぇかもしれねぇけどな)」
皮肉を頭に浮かべつつ、ブラッドはラストアーマーIIの翼を羽ばたかせてグリーフ軍に突っ込んでいった。
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