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しばらく打ち合っていると、次第にロアが押し始める。
ロアの剣を振るスピードにブラッドはついてこれなくなっていたのだ。
「く、そ…がぁっ!!」
ブラッドは剣を振り払うと翼を羽ばたかせグリーフ本陣から少し離れた上空へと逃げた。
「逃がすか!」
それを見たロアもラストアーマーIIの漆黒の翼を広げ、ブラッドを追いかけた。
「なんなんだてめぇは!?」
2人は上空で再び打ち合いを始めた。
しかし先程と一変、今度はブラッドがロアを押している。
"飛行"の使用に関しては不慣れなロアよりもブラッドが一枚も二枚も上手だったのだ。
(くそッ、上手く捉えられない…)
ロアは自在に空を動き回るブラッドを追いかけるので手一杯だった。
タイミングを見計らって勢いよく斬りかかるも、容易く躱される。
ブラッドはその隙を突いてロアを勢いよく蹴り落とした。
「うわっ!?」
重い一撃にロアは地上まで叩き落される。
「終わりだ」
ニヤリと笑ってブラッドはスナイプジュピターをロアに向けて放った。
「くっ!」
躱しきることができず、ロアは直撃を受けた。
周辺は爆発に巻き込まれ、煙で包まれる。
「ロア隊長!!」
本陣でその様子を見ていたマーレは叫んだ。
「フン、手こずらせやがって」
ブラッドは再び本陣を攻め込もうとするが、爆煙のなかで何かが光っているのが見えて翼を止めた。
煙が晴れるとその場にはロアが立っていた。
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